月 子:ワインって飲むもの全部味が違うじゃない、何が違うの?
八兵衛:使ってるブドウ品種が違うから味が違うねん。
八兵衛:見た目は同じワインでも、ものすごい種類のブドウがあるんやで。
月 子:ふ〜ん。
八兵衛:使っているブドウが違うと間違いなく別の味になるんや。
月 子:そうなんだ、ブドウが違うと味が違う、ほかに違いはないの?
シム博士:それではお答えしようかの。
八兵衛:またか...すきにせえ。
シム博士:ワインの味の違い、すなわち個性じゃが、大きく分けると4っつの要素に分けられる。
一つ目は、八兵衛がゆうたように、ブドウ品種の違いじゃ。
八兵衛:(うぁ、当たってた..)
二つ目は、気象条件が大きな鍵を握っておる。
ブドウは前の項で述べたが、黄色の帯の温暖な気候の場所で生育するのじゃが、地域ごとに気温、日照時間、湿度、雨量などが違うじゃろ。
じゃから、同じブドウ品種を栽培しても土地により違う味(個性)のワインが出来るのじゃ。
例えば比較的温暖な土地、そうじゃなスペインやコート・デュ・ローヌなどでは、ブドウが糖分を十分に含むために、ワインはアルコール分のしっかりした厚みのある物が出来る。
一方寒い土地では豊かな酸に恵まれ、キリッと引き締まったワインが出来るのじゃ。
三つ目は、土地の土壌と地形も関係してくる。
ブドウの樹は意外なことに肥沃な土地よりも、むしろ石の多いやせた土地がよいとされているのじゃ。
肥沃な土地じゃと、ブドウの樹がなまけて複雑味の無い平凡な味のブドウしかできないからじゃが。
この他に、畑の質じゃな、石灰質が多い畑、粘土質の畑、はたまた砂利質の畑か、向きも重要な要素じゃ、南向きか西向きか、平坦か斜面か等々、これらの違いがすべてワインの個性につながるのじゃ。
最後の要素は造り手すなわち人が重要なのじゃ。
例えば、同じ畑で収穫された全く同じブドウからでも、造り手の方針や手のかけ方で全く違うワインを造ることが出来るのじゃ。
こちらの造り手のワインは濃厚で、こちらのワインは軽いなど全く正反対なワインが出来ることもある。
ワインの味の違い(個性の違い)はこれら4つの要素が複雑に混ざり出来る物なのじゃ。
月 子:ふ〜ん、複雑なんだ。
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