月　子：へ〜そうなんだ。
飲む直前より1時間から2時間前に栓を抜いておいた方がいいんだ！

八兵衛：何をぶつぶつ独り言いうてんねん。

月　子：ほら、ここ見て！
早めに栓を抜いておく方が味わいがまろやかになるって書いてあるでしょ！

八兵衛：ほんまやな、そない言うたらこないだ映画でもいやらしいおっさんが、女の子口説くときに言うてたな....そやけどほんまやろか？

シム博士：そうじゃな、本や映画のシーンでそういう風に表現しておる物は多いようじゃな。
しかし実際にはコルク栓を開けておくだけではほとんどワインに変化はない。

月　子：でも、この有名な人が書いた本にはちゃんと書いてあるよ！ほら。

シム博士：中にはそういうデリケートなワインもあるのじゃろ。
瓶詰めされてから数十年もたった古いワインなどのようにの！

月　子：だったら、すべてのワインには当てはまらないの？

シム博士：そういう事じゃ。
普段飲んでいるような比較的若いワインの場合には、構成がしっかりとしておるから、栓を抜くだけではほとんど変化はない。

月　子：じゃ、どうすればいいの？

シム博士：そうじゃの、飲み始める30分ほど前にデカンタに移し替えると、驚くほど風味がまろやかになり、赤ワインでは渋みが落ち着いて飲みやすくなる。

ただ注意せねばならんのは、古くて十分に熟したワインをデカンタに移すと急激に味わいが変化してしまうから、直接グラスに注ぐ方がよい。