ワインは古いほど美味しいの? | |
八兵衛:さて、師匠の所に挨拶も行ったし、年始の用事も終わりやな、何か急に暇になってきた...おもろいことないかな〜
月 子:ひまだな〜、なんかこうパーと遊びに行きたいな〜 飛脚:シム博士から伝言で〜す。 八兵衛:なになに、 八兵衛殿宛 本日、午後5:00より本年のセラー開きを執り行います ぜひお越し下さい。 シム博士 八兵衛:セラー開きって何や?聞いたことあれへん...まっ、おもろそうやから行くか。 飛脚:シム博士から伝言で〜す。 月 子:セラー開き???何か分からないけど折角だから行ってみよ! シム博士:二人とも良く来たの、ささ上がんなさい。 八兵衛:どおでもええねんけど、セラー開きってなんや? シム博士:それは、我が家に伝わる古くからの伝統じゃ、まあ気にせずくつろいでくだされ。 月 子:何も分からないで来ちゃったけど、セラーって美味しいの? 八兵衛:あほ!セラー(celler)ゆうたらワイン貯蔵庫のことや、食べてどないすんねん! シム博士:それでは、只今よりセラー開きを執り行います。 カチャ!..... シム博士:セラー開きの儀式が滞り無く執り行われました。 八兵衛:な〜んやそれ「カチャ!」やって! 月 子:博士、ま、まさかそれでお終い? シム博士:お終いじゃ、何か不都合なことでも有るかの。 八兵衛:あほくさ、月ちゃん帰ろ。 シム博士:まあまて八兵衛、今日はセラー開きの日じゃ、セラーの中のワインを好きなだけ飲んでも良いぞ! 八兵衛:へ...それを先に言うてくれな! 月 子:わ〜、暖か〜い。 シム博士:そうじゃろ、この地下セラーは年間通して14度なんじゃ、じゃから冬に入るととても暖かく感じるんじゃ、夏場は寒くて5分とおられんがの。 八兵衛:さて、まずは何からいただこうかな〜 月 子:すごい古いワインばっかり、あ、これは99年って書いてあるから新しいワインね! 八兵衛:月ちゃん、よう見てみ、1899年のワインや! 月 子:え....100年前のワイン???そんなのまだ飲めるの? シム博士:もちろんじゃ、前に飲んだときには、まだまだピンピンしておった。 月 子:わ〜美味しい、何とも言われない甘い香り。 八兵衛:博士、次のワインは1970年代の赤ワイン、これ開けてもええか。 月 子:この赤ワインも、すごく甘い香り、いつも飲んでる赤ワインより渋くない! 八兵衛:そやろ、瓶の中で熟成が進む内にワインのタンニン(渋み成分)や酸がうま味に変わってゆくんや、そやから渋みが若いワインに比べて少なくなって、甘みが出て来るんや。 月 子:そうしたら、普段飲んでいるワインも古くなってから飲んだ方が美味しいのね! シム博士:そういう訳にはいかんのじゃ。 月 子:どうして? シム博士:全てのワインが熟成させるほど美味しくなるわけではない、さっき八兵衛が言うた様に、熟成には適度な酸とタンニン分が必要なのじゃ、その条件に当てはまるワインは極々少数に限られる。 八兵衛:その条件に当てはまらない、フレッシュで軽いワインを熟成させると熟成に耐えられなくなり劣化してしまうんや。 月 子:劣化と熟成は全然違うものね! シム博士:長期熟成できるワインはボルドーの赤ワインやブルゴーニュの赤ワイン、白ワインそれに貴腐ワイン、その中でも1級ワインや2級ワインなどのように格付けされておったり、グランクリュやプルミエクリュなどの畑のワイン、一部のニューワールドワインに限られるのじゃ! 月 子:それじゃあ、普段飲んでいるフレッシュで軽いワインはその時に飲む方が美味しいのね! 八兵衛:その時でなくても2年以内には飲んでしまう方がええやろな、飲む時期を過ぎると酸っぱくなったりするから、フレッシュで軽いワインの代名詞、毎年11月に出るボジョレ・ヌーボーは年内か遅くとも来春までには飲む方がええな。 |
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